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沈黙のざわめき(2020)

 

この「サウンド・インスタレーション」作品は、2014年に制作したサウンド・インスタレーション作品『ひそやかなざわめき』(同年、Art Lab TOKYOにて開催された「コンパ―セプチュアル展」―菅間圭子氏のキュレーションによる―にて展示)の記録写真をオンライン空間に展示するという限定的な方法で成立するものである。

『ひそやかなざわめき』は音楽の聴取と都市空間の関係性に言及した作品である。以下、ギャラリー展示の際のキャプション解説を再掲する;

 

音楽を聴く為の専用施設であるコンサートホールや、日常生活の場である自室などではなく、ギャラリーの展示室という都市的装置の内部で音楽を極私的に体験するというのは、例外的な聴取形態に属する。

そもそもこの都市的装置は、都市が内包する器官であると同時に、構造的にも審美的にも都市そのものであるといえるのではないか?そうであるなら、ヘッドフォンの音楽を聴くあなたは、ギャラリー外部とヘッドフォンによって都市空間から二重に隔絶されているように見えながらも、都市空間と干渉していることになる。

そうした状況によって生じる心理状態は、都市に対してどのような想像力を胚胎し得るのだろうか?

この展覧会における私の企画(プロジェ)を通して、ある種の想像力が、都市の創造に向けての企図(プロジェ)の契機となるとしたら、と夢想してみる。

 

H.ルフェーブルの『都市への権利』を読み返しつつ 

 ギャラリーの一室に展示された『ひそやかなざわめき』において、ヘッドフォンを着けることにより辛うじて可能たり得た音楽の聴取、そして都市空間との干渉は、オンライン空間に展示された『沈黙のざわめき』においてはもはや不可能となっている。コロナ禍によって都市から人々が消え、極私的空間と都市的空間は隔絶されてしまった。そして音楽やアートへのアクセシビリティもまた限定的となってしまった。今、政治によって新たに都市や表現活動への誘導が行われ始めている。そのことが逆に「沈黙」の期間の延引を誘導することにつながらないよう、願ってもいる。

 

                             小森俊明 記

インスタレーション  小森俊明

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